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NOV.08.2023

決勝大会の課題、および課題食材の選定理由

今決勝大会の課題、および課題食材の選定理由です!
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ボキューズ・ドール国際料理コンクール 日本代表選考2023 決勝大会の課題は、「鳥取県産 天然ひらめ」「鳥取県産 ベニズワイガニ」「村上農園マイクロハーブ」の3つを使用した料理を温製のプラッター料理とした。
近年のフランス本選の魚料理の課題を見てみると、
2007年 「フレタン(おひょう)とクラブロワイヤル」
2009年 「鱈と小エビ」
2011年 「あんこうとカニと手長海老」
2013年 「チュルボ(イシビラメ)とオマール海老」
2015年 「ブラウントラウト」
このようにフランス大会では白身の魚がメイン食材として課題にされることが多い。これは、淡白な食材なため様々な食材と取り合わせしやすく、火通しも難しいというコンクール向きの食材だからである。これまでにも「白身の魚」と「甲殻類」の組み合わせは数多く課題として設定されてきたが、常に新しい味の構築を選手たちは示してきた。毎回、進化し続けるボキューズ・ドールにおいて過去を超えるべく構成を考案しなければいけない選手たちには格好の課題となるだろう。
空が深まる今の時期、冬に向けて脂がのりだし旨味が強くなっていく魚、そして日本の甲殻類として産地の親和性を求めて課題を選定した。それが「鳥取県産 天然ひらめ」「鳥取県産 ベニズワイガニ」である。
締まった白身の身は弾力があり甘味と旨味がある。ボキューズ・ドールでは、これに繊細な下処理と繊細な火入れが求められる。「鳥取県産 ベニズワイガニ」はズワイガニよりも甘味が強い食材である。淡白な味わいだからこそ組み合わせの幅が広がる。どのように2つの食材を組み合わせるのかが楽しみである。
本年1月22日、23日に日本代表 石井 友之シェフが挑んだフランス本選の課題は「スコットランド産あんこうと帆立貝とムール貝」であった。決勝参加24か国の料理の写真を目にすると、24か国全ての国の皿には、何かしらのハーブと花が飾られていることに気づく。
その種類も多岐に渡る。見た目のベジェタル感を演出する役割もさることながら、各料理に対する「味」を加える「調味料」としての食材の立ち位置でそこに存在する。
普遍性があり、料理人として「視覚面」「味覚面」のスキルを計るにふさわしい食材と我々は考える。「村上農園マイクロハーブ」全22種類は「視覚面」「味覚面」「嗅覚面」から印象に残る一皿の創造の可能性を持っている。ポテンシャルの高い素材である。
その中から選手たちの裁量で印象に残る一皿を作り上げてもらいたい。